インタビューガイド

このガイドの目的

弊メディアPoli-Phoniは、ネット上に多声性のある場を生み出すことを目的としています。主張を戦わせる議論ではなく、その主張を持つに至った背景、経緯という人生の物語を共有する場です。更に、それを編集部が行うのではなく、ポリティカルコンパスの異なる象限に位置する語り手と聴き手によって、行うことが特徴です。

ポリティカルコンパスが異なる人の人生を聞いていると、反論したり批判したくなってしまうことがあります。しかし、それではまた対立と分断を生み出す議論を繰り返してしまうだけでしょう。むしろ、語り手の人生を丹念になぞること、語り手を異常者とかモンスターとして捉えるのではなく、ひとりの人間として耳を傾けることが、対話の始まりだと考えています。

そのため、聴き手は必ず語り手になったことがある人が担当します。聴かれるとはどういうことなのか、反論や批判なしに自分の物語を語ることがどういう意味を持つのか、それを実感してもらうためです。その上で、このインタビューガイドを読んだ方だけが、聴き手になることができます。

実際のインタビューでは、語り手と聴き手だけではなく編集者が同席します。それは、もしも聴き手が語り手に攻撃的な反応を示した場合に、それを中断することが目的です。

質問項目

以下の4つの質問が基本になります。もちろん話す中で展開する部分はありますので、適宜掘り下げていただいて構いません。

1.世の中には様々な対立があります。あなたはどんな対立を思い浮かべますか? 特にご自身が強い感情を惹起されるものを教えてください。また、本企画のこれまでの記事や、ポリティカルコンパスの質問の中で感情が強く反応するトピックがあれば、それについてお話しください。

2.その議論についてあなたの意見を教えてください。また、異なる意見を持っている人たちの意見を、あなたの言葉で教えてください。

3.あなたの意見の背景になっている、あなたが大切にしている価値観について教えてください。そして、そのような考え方や価値観が形成された背景を教えてください。その価値観について、あなたの周りの人はどんな風に語っているか、それが時期やコミュニティによって違う場合はそれも教えてください。

4.ご自身と異なる意見を持っている人たちが大事にしている価値観と、そのような価値観が形成された背景を想像して、あなたの言葉で教えてください。

具体的なTips

・語り手の話がある程度進んだら「つまり、こういうことですか?」と一度整理して共有してください。すると、ズレがあった場合は語り手が修正しやすくなり、勘違いに基づく理解を避けることができます。

・語り手が一般的、あるいは抽象的な(例えば、「男性はあまり共感しませんよね」というような)発話に対して、その具体的なエピソードを尋ねてください。そのように考えるきっかけが、個人的な体験に紐づいている場合は、それを聞くことが聴き手の重要な役割だからです。

・語り手が同じことを指しているように思われる記号や単語を使い分けているように感じた場合は、その違いや意味を聞き直しましょう。例えば「多様性というより、私の言葉で言うと排除になるんですかね?」という発話に対して「その2つにはどういう違いがありますか?」というように。

・語り手がアナロジー、比喩で説明を行った場合は、その関連を問うてください。例えば「オリンピックって、戦争と同じなんですよ」という発話に対して、「どういう意味で同じなのですか?」と尋ねましょう。

・あれ、それといった指示語が出てきたときに、文脈が不明瞭な場合は必ず確認しましょう。「つまりそれはあれを否定したくてやってるんですよ」という発話に対して、「それ/あれって、何を指しているのか念のため確認させてください」というように。

・語り手が「〜だから、〜なんですよ」という因果関係について発話した場合は、積極的にその関係について尋ねましょう。例えば「高学歴で人付き合いが苦手だとネトウヨになるんですよ」という発話に対して、「それはどうしてでしたっけ?」というように。

・語り手が独自の記号や単語を用いていると感じた場合、その人が使っている意味や定義を確認しましょう。例えば「それはヒューマニティの欠如だと思うんですね」という発話に対して、「ここでいうヒューマニティーってどういう意味か確認させてください」というように。

更新履歴

このインタビューガイドは、更新時にその日にちと更新内容について明記します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です